中山先生が、第11回医用質量分析認定士講習会の応用編の講師を担当されました!
以下、中山先生からのメッセージです😄
愛知県産業労働センターで開催された第11回医用質量分析認定士講習会の応用編の講師を担当し,「医用質量分析認定士の未来医療への貢献」という講演を行いました。
質量分析(mass spectrometry: MS)技術は,欧米では加速度的に医療現場に進出しており,基礎医学分野だけでなく,病理検査室や内視鏡室,更には手術室まで,非常に幅広く医療に浸透しています。我が国でも,臨床微生物学分野での微生物同定試験において,マトリックス支援レーザー脱離イオン化 飛行時間型 質量分析装置(MALDI-TOF/MS)の普及が目覚ましく,多くの病院で大活躍しています。その一方で,臨床検査室での一般検査においては,MSの普及・浸透がなされておらず,欧米に比べて非常に立ち遅れている状態が続いています。医療にもたらすMSの卓越したアドバンテージを広く普及させるため,日本医用マススペクトル学会が主体となって,医用質量分析認定士認定プログラムが2013年からスタートし,本年4月までに494名の医用質量分析認定士を輩出しています。
医用質量分析認定士(medical mass spectrometrist: MMS)の資格を取得することにより,質量分析の基本を理解し,共通のプラットホームを保持していることが保証されます。保証される具体的なプラットホームとは,①質量分析の初歩を理解している,②医用質量分析に従事するための基礎的な検査・分析スキルを習得している,③臨床検査法としての質量分析技術の重要性を理解している,そして,④臨床検査法としての質量分析技術の標準化に貢献する強い意志を持っている,ことです。本年度はおよそ100名の受験生が,北海道から九州・沖縄まで,日本全国から集いました。近年の傾向として,学生の受験生が急増しており,本年度も全受験生のおよそ9割を学生が占め,その殆どが,臨床検査技師養成校からの受験となっていました。受験生は,大学3年生から大学教員までと非常に幅広く,全員が医用質量学に関する高度で専門的な試験問題に取り組んでいました。
講演では,私がなぜMMSの資格を取得したのか,資格を取得してどのように医療に挑戦しているのかなど,自験例を交えて解説を行いました。そして,我が国のMS技術の将来を担う若手に対して,日本が立ち遅れている分野への積極的な挑戦を促すと共に,医療に一歩踏み出して貢献する必要性を説明しました。
本学からも,MMSの資格取得を目指す学生が現れ,医療への貢献に グッと 近づく役割を果たしながら,頑張って欲しいと思っています。