こんにちは!
当学科の横山貴先生が小島三郎記念技術賞授賞されましたので、研究内容についてお話しを伺いました!
①研究タイトルを教えてください。
「ファブリー病におけるマルベリー細胞とマルベリー小体の標準検査法の開発と起源、排出動態や酵素補充療法との関連性の解明」
②どのような研究内容ですか。
ファブリー病はライソゾームにあるα―ガラクトシダーゼ(GLA)の欠損により、体の細胞に糖脂質が蓄積して腎臓や心臓を中心とする各臓器に症状を呈する病気です。GLAはX染色体に存在するため、X連鎖性の遺伝形式で遺伝します。日本での発現率は約7,000人に1人であり、腎臓に糖脂質が蓄積すると尿にマルベリー細胞と呼ばれる渦巻き構造を呈する糖脂質を含有した細胞が認められます。尿蛋白などの症状が出ると、経過とともに血液の中の不要なものを尿として排出できなくなる重度の腎障害である腎不全という病気になってしまいます。そのような病気にならないように、ファブリー病におけるポドサイト(血液をろ過して尿を生成する器官を構成する細胞)が起源であるマルベリー細胞の排出数を定量的にモニタリングすることでポドサイト障害を早期に発見し、診断後は欠損したGLAを補う酵素補充療法による治療効果を確認することで腎障害の進行を遅らせることができます。
③最後にコメントをお願いします。
尿には疾患の早期発見・診断に役立つ成分が沢山あります。その一つがマルベリー細胞です。マルベリー細胞を通して、ファブリー病の患者様の悲痛な声に耳を傾け、QOL向上に繋がる仕事をこれからも続けていきます。
受賞おめでとうございます🎉